子供の落書き帳 Remix

15/4/13:ひと月に一度更新するブログになってしまっている

親や環境は子供の能力に影響する。科学調査から分かる、親が子供のためにできること
2014/01/21(火) 00:33:26

結局、人間の才能は幼いうちに何をしてたかで決まるという事実 - 現代版徒然草

読んだ。
努力とか環境とか才能とか成功とか、そういう話になると一言言わずにいられないので、勢いで書く。ちなみにこの間も同じ調子でこんな記事を書いた。
「産まれと才能 > 努力」だと思うなんて、才能を過大評価し過ぎだ

さて、確かに周囲の環境は大事だ。でもそれを事例で示すだけでは不十分かなと思う。
monsterdoctor 科学的根拠となる一次ソースなしでこの話は語らないのがベター。
steel_eel 何らかの作業について、10歳から1万時間くらい訓練した場合と20歳から1万時間くらい訓練した場合…と、とりあえず60歳くらいまで1000人くらい用意して作業精度に統計的な有意差があることを確認してから言うとよい。

はてブのコメントにも「科学的な調査を使って話をしよう」という意見があったし、俺もそう思う。というわけで、環境の影響の大きさを示す調査結果をいくつか書いてみようと思う。

注意


・俺は元の記事に全面的に賛成するわけではない。正しくない部分も存在すると思う。

・そして書いてみたら、元の記事とあんまり関係ない話になった。

・どうも調べたら、この話はもともと武井 壮の「子供の頃から練習しなければ大成しないという風潮は間違い」から派生してきたらしい。俺はこちらの記事は全く読まずに現在の文章を書いているので、注意されたし。

幼少時の家庭での発話の量と、子供の知性の関係


ベティ・ハートとトッド・リズリーは、アメリカの低所得層の子供向けの教育プログラムであるヘッドスタート・プログラムの効果の少なさに疑問をいだいた。プログラムの開始年齢は3~4歳だが、貧しい家庭の子供はこの時点で知能に差がついている。早期に子供の発達に差がつくのは何が原因か、二人は調査を行った。


三年以上かけて、社会系税的なレベルが(1)生活保護受給世帯(2)労働者世帯(3)専門職世帯 の三つに別れる42世帯で、幼児に対していくつの単語が発話されたかを調べた。そして、その結果を表にした。
すると、驚くほどの違いがあった。専門職世帯の子供が一時間に耳にする単語の数は、生活保護受給世帯の子供に比べ、平均して1500語以上多かった。つまり、年間に約800万語、4歳の時点で約3200万語もの開きが出ることになった。さらに、発話の口調や単語の複雑さにも、両者の間にかなりの差があった。
数値をまとめたところ、早期に音声言語に触れた経験と後日の学力には、直接の関連があるとわかった。

デイヴィッド・シェンク「天才を考察する」60ページ


4歳児なんて小さな子どもだから、知能に差はない? いや、この時すでに差がついている。そして原因は親の行動だ。子供を取りまく環境の影響の大きさがうかがえる。



では親は子供のために何ができるのだろうか。子供の知能を伸ばすために英才教育を頼む? いや、そんなに金のかかることができなくても、子供のために教えてあげられることはあるはずだ。以下はその1つ。

マシュマロを前に我慢できる幼児は、ずっと後になっても学業成績が良い



ウォルター・ミシェルのマシュマロ実験の話。これも4歳児が対象だ。研究者は子供にマシュマロを見せてこう言う。「今から私は用事で少しいなくなる。戻るまでテーブルの上のマシュマロに手を出さなかったら、マシュマロを2つあげよう。このベルを鳴らせばすぐにマシュマロをあげよう。だけどその時は1つだけだ。」

・子供の3分の1は、すぐにマシュマロを1個食べた。
・3分の1はしばらく待ったが、数分後にあきらめてマシュマロを1個食べた。
・3分の1は辛抱強く待ち、15分後にマシュマロを2個食べた。

デイヴィッド・シェンク「天才を考察する」169ページ



10年ほどあとに対象の子どもたちを調べると、2個のマシュマロを貰えるまで我慢した子供は学業成績がよく、困難を乗り越えるのが上手いという結果になった。すぐに満足することばかり考えずに、長い目で見て考えるのは大事だ。親は、自らの自制の様子を子供に見せたり、子供の頼みにすぐに答えてやらないことで、子供の自制心を向上させることができるだろう。

……元の記事はトップ層の話をしていたんじゃなかったっけ。成績上位層に限らず全体を大賞にした調査のことを書いたのは失敗だったか? でも、幼い時に非常に知能が良くても、家庭環境が悪ければその後の成功度合いも低い、という研究もある。「ルイス・ターマン」で検索すれば出るんじゃないか。環境の悪さは秀でた知能を簡単に殺せるのだ。

「どうせ俺には能力が無いし」と言い出す子供にしないために



最後に、親ができることをもう一つ挙げるとすれば、「生まれつきの能力でなく、子供の努力を褒めること」じゃないですかね。

キャロル・ドゥエックは人間を能力は生まれつきであると信じる「こちこちマインドセット(固定的知能観)」の人か、能力は伸ばすことができると信じる「しなやかマインドセット(拡張的知能観)」の人か。「能力は生まれつきで、自分はもう伸びない」と考える人は、困難に当たった時に挫折から立ち直れなくなってしまう。子供がどちらのマインドセットに育つかは、どこを褒めるかで変わってくるのだ。以下、以前書いた記事を参照。
困難に直面しても立ち直りの早い人とそうでない人がいるのはなぜ? 子供の落書き帳 Remix

それでは。



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