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最新の研究成果が平易にまとまってる! 「人はお金だけでは動かない」
2013/02/27(水) 01:17:36

「人はお金だけでは動かない」(ノルベルト・ヘーリング、オラフ・シュトルベック 著)を読んだ。

人はお金だけでは動かない―経済学で学ぶビジネスと人生
人はお金だけでは動かない―経済学で学ぶビジネスと人生



色々な経済学の分野について述べた本。原著が出たのは2009年だが、その時点での最新の研究成果を分かりやすく伝えている。参考文献は殆どが論文なのだが、2000年以降の論文が大半で、その中でも2005年以降のものが多かった。

全14章はバラバラのテーマについて書かれているので章を飛ばしたり後ろの方から読むことも可能。

第1章では、人間は必ずしも経済的に行動するわけではないことが書かれる。「ここまで合理的で利己的で自己の利益を最大にすることしか眼中にない人間に出くわす危険性はかなり低い。(p.14)」あー、そんなゲームがあったしな、と思った瞬間にまさにそのゲームが紹介されていて噴き出した。「最後通牒ゲーム」という名の経済学実験である。この単純な実験の結果は、「人間は合理主義的に動くとは限らない」ということを示す格好の例である。

英語版Wikipediaはあるけど日本語版は無いのかよ。そろそろ項目があってもいいだろうに。Ultimatum game - Wikipedia, the free encyclopedia

第2章は幸福度の話。お金は幸福を呼ぶ……と考えられがちだが、実際に調査をしてみるとある一定以上では収入の多寡は人生の幸福度に殆ど影響を与えない。では幸福度に影響するのは何か? テレビ視聴時間と通勤時間だ! 「研究の結果、他の条件が同じ場合、一日の視聴時間が三十分未満の人は、もっと長い時間テレビを見ている人より幸福度が高いことがわかった。なかでも一日に二時間半以上テレビに釘付けになっている人との差は顕著だった。(p.46)」また、0~10点の生活満足度を答えてもらうと「通勤時間が19分長くなるごとに、満足度は平均0.12低下する。ちなみに、独身者が新しい人生の伴侶を見つけたとき、これと同じだけ生活満足度が上昇する。毎日45分かけて仕事に行く専門職業人が通勤のない同僚と同じ満足度を得るためには、平均的な月収のほぼ5分の1にあたる380ドルの増給が必要になる」。すなわち「職場は今よりもだいぶ遠くなるけど、給料が上がったから良しとするか」は死亡フラグだということだ。日本の場合は通勤ラッシュが酷いから、電車通勤だともっと満足度が下がりそうな気がする。研究室の先輩が社会人2年目になるにあたってオフィスから徒歩圏内に引っ越したのは、非常に合理的な行動だなぁと思った。


第6章は短い章だが、最後に「容姿が平均より上のアメリカ人は、見た目がさえない人より10から15パーセント収入が高い(p.113)」と書いてあってブサメンを落ち込ませるw。しかしマルクス・メビウス、ターニャ・ローゼンブラットが面白い実験でこれを解き明かす。被験者は従業員の役と雇用主の役に振り分けられた。で、模擬的な面接を行うのだが、雇用主は文書のみの履歴書を見たり、従業員の顔写真付きの履歴書を見たり、電話で話したりや対面で面接したりする。すると顔が分かった場合、雇用主はイケメンに高い評価を抱く。「このイケメンなら仕事ができそうだ」というわけだ(何でやねん!ハロー効果か?)。しかも顔を見ずに電話面接した場合さえ、イケメンは有利なのだ。この違いは、以下の3つの要素から成り立つ。

・20%:イケメンは他の人より自信を持っている。自分の成果について、容姿が人並みの参加者より10パーセント高く予想し、この自信が雇用主に伝わる。
・40%:美貌そのものの効果。自信のあるなしには無関係に、魅力的な人のほうが身体的に魅力に劣る人より従業員としての生産性が高いと雇用主は期待する。
・40%:イケメンが備えている高いコミュニケーション能力。

つまりブサイクにも希望はある。整形手術をしなくても、自信をもって行動し、高いコミュニケーション能力を持っていれば、上記の6割の効果は期待できる。イケメンが出世街道を驀進するのを阻止するためには、コミュ障を克服せねばならないのだ……と言われても難しいぞ。




標準の経済学とは違うかもしれないが、アレもコレも経済学として研究されてるんだぜ、というのが面白かった。
経済の基礎は知っていたほうがこの本は読みやすいが、それほど知識がなくても読めるんじゃなかろうか。俺もちゃんと経済を勉強したわけではないし。

おまけ。

ダニエル・カーネマンは本書35ページに出てくる。ノーベル経済学賞受賞者の心理学者。
また、本書の翻訳者である熊谷淳子はダニエル・ギルバートの「幸せはいつもちょっと先にある――期待と妄想の心理学」の翻訳も行なっている。この人のTEDは最近聞いたけど面白かったな。
本書のp.204でダン・アリエリーの実験が紹介されている(「予想通りに不合理」「ずる」の著者ですね)。「同じタスクに3段階の報酬金額を与えると、高額の報酬を提示された人ほど成果が落ちる」という一見意外なものだ。そして俺がこれを最初に知ったのはダニエル・ピンクのTEDである。「モチベーション3.0」の感想も参照。

この分野の周り、ダニエルとダンが多すぎないか!?

これが言いたいだけでした。それでは。

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  1. 2013/02/27(水) 01:17:36|
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