子供の落書き帳 Remix

15/4/13:ひと月に一度更新するブログになってしまっている

浅薄な内容、イマイチ。「ヘコんでも折れないレジリエンス思考」小玉正博
2015/07/09(木) 00:15:43

小玉正博の『ヘコんでも折れない レジリエンス思考: 復元力に富む「しなやかな心」のつくり方
』を読了。
印象に残った箇所を個人的メモ。完全な引用ではなく、もとの文章を適宜変更している。


P.86~87

学習性楽観性:物事の理由をあとから説明するときにどう考えるかという習慣のこと。
例えば失敗に対する考え方は、次の3つの方法で分類できる。

1 永続的か、一時的か
(いつでも失敗する/失敗は今回だけ、今だけ)
2 普遍的か、特定的か
(どんな場合でも失敗する/失敗はこの場合だけ、この条件だけ)
3 内在的か、外在的か
(失敗は自分に原因がある/他の物事を変えれば上手くいく)


P.120~124

「自己効力感」:「ある具体的な状況において、適切な行動を成し遂げられるという予期、および確信」
自己効力感を生み出すのは次の5つである。

1 達成体験 実際に成し遂げた経験。5つの中で最重要な要因。
2 代理体験 他人が達成したところを見る体験。
3 言語的説得 周囲からの励ましの言葉。比較的早くに効果が消失する。例えば、スポーツの試合直前にコーチがかける言葉など。
4 生理的情緒的高揚 気分を盛り上げること。酒、観客からの声援。
5 想像的体験 自分や他者の達成体験を想像すること。いわゆるイメージトレーニング。


感想


いや、ガッカリだわ。このガッカリな本について、わざわざ時間とエネルギーを割いて感想をブログ記事にする必要があるのか疑わしい。だけど、本を読み始めた段階で一つ前の記事を書いてしまった。肝腎な本の内容について何も書かないのも変な気分なので、感想を書き殴ることにする。

全体的に、浅薄。著者の理解が浅いのかどうかは分からないが、書かれている内容は浅いと思う。各項目について、簡単に説明して、スポーツ選手や俳優などの例を挙げて終わり。


例えば、「楽観性を機能させる」の章ではこのような記述がある。本文をそのまま引用している。

P.88
ポジティブな言葉を言い続けると、ポジティブな結果につながる、という人がいます。
(中略)
昔から日本では「言霊の幸」ということが重視されてきました。言霊の幸とは、「言葉には物事を実現する力があり、自分がこうありたいと口にしたことは、実現する」という意味です。



いやいや待て待て!! 「ポジティブな言葉が楽観性につながる」ことは認めるけど、心理学の研究者がその説明に「言霊」を持ってきてどうするのさ!?
該当する研究があるんだから、その結果をまず引用するのが筋でしょう。リチャード・ワイズマン「その科学があなたを変える」で同様の研究が紹介されていたのを覚えている。笑顔を作ったり前向きな発言をすると、気持ちが前向きになるという実験だ。

文中の各所で、過去の研究や実験結果についての言及もあるのだが、だいたいが「サラッと述べておしまい」である。そこが肝だと思うのだが。

速読で「じっくり読むに値する本か」を判断する


「じっくり読むに値する本か」を調べるために、著者が「一定の研究実績がある学者か」を頑張って調べていた。調べた結果は以下の記事になった。小玉正博の研究内容・論文一覧を探すのに手こずった話 子供の落書き帳 Remix
しかし、研究を調べるより本を実際に読んだほうが、早く判断できたのではないか。

この本は40字×15行で1ページあたり600字(この字数はかなり少ないほうだ。実を言えば、本を開いたときのページのスカスカ具合でも結構嫌な予感がしていた)。約180ページだから全部で高々108000字だ。
1分に5000字で読めば約22分で読み終わる。いや、まともに読むかどうかの判断として割り切って読むなら1分に10000字で11分で読み切ったって良かったはずだ。
速読ができるんだからこういう使い方をすれば良かったのにな。


感想



レジリエンスという概念はポジティブ心理学と重なり合う部分が大きいらしい。
「ヘコんでも折れないレジリエンス思考」の本にも、P.38には「ポジティブティブ心理学の取り組む中核的な研究目標がレジリエンスなのです」とあった。

書店に行ったら、このような本を見つけた。
ポジティブ心理学が1冊でわかる本


最初に「この本を書いた理由」がある。心理学を学ぶ学生でない、一般の人のために書かれた本だと書いてある。すると「ヘコんでも折れないレジリエンス思考」と似た読者層に似たことを伝えようとしている本だろう。
しかしその情報量はだいぶ異なる。パラパラ見たところ、倍くらいのページ数(Amazonによれば360ページ)があった。多ければ良いというわけではないが、内容が充実しているなら良いことだ。また、巻末には20ページ以上の参考文献が載っていた。これは膨大な先行研究を踏まえて書かれていることを示している。学術的な研究に基づいた本は、こうあるべきだろう。

「レジリエンス」と題名に入るものだと、こっちも気になる。


個人的には、先行研究から事実を積み上げて書いてく書き方が好きだ。だいたい外国人の著者にその傾向があるので、翻訳書を狙って読んでいこうと思う。

それでは。


……あ、最後に1つ。昔書いた記事もレジリエンスに関連している。キャロル・ドゥエックの話を翻訳した、困難から立ち直れる人についての記事だ。気になる人は是非どうぞ。
困難に直面しても立ち直りの早い人とそうでない人がいるのはなぜ? 子供の落書き帳 Remix

テーマ:読んだ本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2015/07/09(木) 00:15:43|
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